インタビュー

アメリカ村発のバンド、愛はズボーンが「アメ村天国」を開催するにあたって、GIMA☆KENTAが15年近く町内会長を努めてきた山地さんにインタビュー。町で暮らしてきたからこそ知る時代の流れとイメージの変遷をたどった。アメリカ村が誕生するまでには、どんなことがあったのか。その歴史に少しでも触れてみてほしい。
GIMA
「今日は僕たちがアメリカ村でイベントを開催するにあたって、この街の歴史を少し教えてもらえたらなと。そもそもいつぐらいから、このあたりは『アメリカ村』と呼ばれるようになったのですか?」
山地
「いつからアメ村ができたかと聞かれても、実はようわからんねん。そもそもこのあたりは今みたいにお店なんかほとんどなくって、駐車場がばっかりやったんよ。それが30年ぐらい前かな。夏場の土日だけその駐車場を借りて若い子らがアメリカとかで買ってきた古着やらフリーマッケットを開いて売り始めて、人がぽつぽつと集まり始めて。だけど秋風が吹く頃には寒くなるからそういうのも開かれず、人も来ず。夏場も土日しか開かれへんから平日はなんもなくて、人が来おへんし、どこが『アメリカ村』なんかさっぱりわからへんと。それで、テナントなんかを借りて店を開いたとしても、夏の土日しか人がいないし、家賃がかかるだけで長続きしやん。そういう、『夏場だけのアメリカ村』というのが4〜5年続いてたんよ」
GIMA
「アメリカ村がアメリカ村になる前ですね」
山地
「そう。その時は、別に『アメリカ村』なんて言われてなかった。御堂筋挟んで心斎橋筋商店街の方は盛り上がってるけど、こっちはさっぱり。それがいつしか若い子が集まってくるようになって、服屋がぽつぽつとできて賑わい始めてきた。で、気づいたら『アメリカ村』って呼ばれ出してたね。村長さんって呼ばれてた、喫茶店を開いたデザイナーさんがいるんだけど、そのお店ができたころからずいぶん雰囲気が変わってきたね。ずっとこの町に住んでるから、ほんまにいつがどうとかはっきりとは分からへんねん。徐々に、『アメリカ村』になっていった感じ」
GIMA
「僕たちからすると買い物とか遊びにくる町のイメージですけど、町内会長みたいにずっと住んでる人たちがいるわけですもんね」
山地
「そう。日曜日なんか車通らへんかったから、僕らが子供の頃なんかは道路で遊び放題(笑)。缶けりしたりしてね!昔は町会の旅行なんか子供が多かったから、バス2台チャーターして言ってたからね」
GIMA
「ぜんぜん今のアメリカ村からは想像できないですね!僕たちが中学生の頃とかは、アメリカ村って少し怖いイメージもあったんですけど…」
山地
「そういう時期もあったね。十数年前かな。外国人だけやなく日本人も悪質なキャッチをして、修学旅行生とかに無理やり服を買わせてる悪い奴がいて問題になったんよ。あとは落書きね。シャッターを閉めたら次の日には、えらい落書きされてて。しばらくほったらかしにしてたらどんどん増えたからこれはあかんなと。それで町内会で一致団結して、平成17年から毎週土曜の朝8時から11時ぐらいまで少しずつ消していった。11回に分けて、2ヶ月半ぐらいかけてようっ約全部消せたかなって時には、テレビも取材に来てくれて。ちなみに、最後の落書きはサンボウルの上にあるボウリングのピン(笑)。描いたやつも消す方も命がけよ」
GIMA
「落書き対策もかねて、すごい数の監視カメラを設置してることでもニュースになってましたよね」
山地
「そうそう。コストがえらいかかるけど、落書きが多いんやったらつけようかと。最初はうちの町内だけでもつけようかと思っていて、11の町内会からなる御津連合の会議があって話したら、それやったらうちもやろうかとみんなで分担して設置することに。これは落書きに限らず、悪いことしよるやつがいたから効果はすごいあったね」
GIMA
「やっぱり変わりましたか?」
山地
「監視カメラが増えるにつれて、落書きも減ったね。怖い町のイメージが、いまでは家族連れが増えててその効果もあるやろね。最近は悪質なキャッチとかそんな話、全く聞かへんから」
GIMA
「個人的には、北欧雑貨の『フライングタイガー』ができてから雰囲気が変わったなぁと」
山地
「確かに、それぐらいからベビーカーが増えたね。高校生大学生限定の町って感じやったけど、家族連れも増えて。そんなん今までみたことなかったもん。ああいう良心的な大手の会社が入ってきたから、イメージがガラッと変わってきたと思うね。『UGG』とかハワイのパンケーキ屋さんとか。ああいうお店が入るとイメージアップになるよね。あとは、BIG STEPができた頃もガラッと雰囲気かわったよ。人気の服屋さんとかたくさん入って、一気に若者がまた増えたなと思ったね」
GIMA
「どんどん町がクリーン化してきてますよね」
山地
「そうなってたら嬉しいね」
GIMA
「少年地代を過ごしていた街に比べたら、ずいぶんと賑わって様変わりしたと思うんですけど、さみしいなと思うこともあります?」
山地
「いやいや。人が集まってワイワイしている方がええと思うけどね。そりゃ、静かなところで住みたいって気持ちはあるけど、もうむりやん(笑)」
GIMA
「そうですよね(笑)。これからも町はどんどん賑わって行くと思うんですけど、どんな町になってほしいとかありますか?」
山地
「こうしてほしいとか、ああしてほしいとかそういう希望はないかな。ただ、みなさんが安心して買い物できる町になってくれたら一番いいかなと。また怖いとかっていうイメージになったら嫌やな」
GIMA
「僕たちもこの町を遊び場にして、イベントを開催したりして盛り上げるからには、マナーを守って、安心して子供から大人まで楽しめるクリーンなイメージを持ってもらえるように頑張ります!」
山地
「頼むよ。がんばってや!」